施設へのこだわり

施設の移り変わり

山中畜産では以前は長沼と千歳にそれぞれ一貫農場(分娩から肉豚の出荷まで一つの農場で行なう)を持っていましたが千歳農場の老朽化に伴い、旧千歳農場を解体して肥育専門農場を新築しました。長沼農場は肥育部門を廃止し、内部を繁殖専門農場に作り替えました。

また別の場所にあったAIセンター(雄豚を飼っていて此処で精液を生産する)を敷地内に新築し、母豚を作る育成ラインも新設しました。この過程で飼育する豚も「ダンブレッド」に変更しました。

長沼農場

長沼農場の役割は千歳の肥育農場に子豚を供給する事と、「ダンブレッド」を維持する事です。どちらも母豚に健康で丈夫な子豚をたくさん生んで育ててもらう事が大切です。豚舎は母豚が分娩する分娩舎、子豚を離乳してから次の分娩まで過ごす繁殖舎、母豚になるための若豚が育てられている育成舎、それに雄豚が生活するAIセンターの4つの部門で構成されています。AIセンター以外は旧豚舎を改造したため多くは開放豚舎と言って両側に窓があって外の空気を取り入れて換気する構造になっています。カーテンで空気の流れを調節し、冬は寒いのでカーテンを閉めてサイクルファンで換気をします。「ダンブレッド」は体が大きいので分娩ストールは大きくし、子豚をたくさん生むので授乳サポートシステムとミルクフィーダーを設置しています。長沼農場ではおよそ2,400頭の母豚が飼われています。これを12人の日本人と数名のベトナム人技能実習生が管理しています。

長沼農場の管理棟、建物の前には感染予防のための石灰を散布しています
毎週100頭以上が分娩する長沼農場分娩舎
人工授精センターの精液処理室の設備(左)と人工授精の風景(右)
人工授精で妊娠が確認された母豚を集めた長沼農場繁殖舎
母豚の分娩頭数が多くて発育が遅れた子豚を飼育するミルクフィルダー
離乳後、純血種や子取り用豚はGP候補豚舎で育てられます。その他の豚は肉用豚として千歳農場に送られます

※入場には事前の許可が必要です

千歳農場

千歳農場は長沼農場から専用運搬車で運ばれた親から離れたばかりの子豚を飼う子豚舎と、約2ヶ月令から肉豚として出荷するまで飼う肥育舎があります。こちらは窓がないウィンドレスと呼ばれる豚舎でデンマークのSKOV社の換気システムを採用しています。モニター画面に豚舎の換気量、温度、湿度が表示され設定した数値に全自動でコントロールされています。豚舎の環境はスマホのアプリを使ってどこからでも確認することが出来ます。水が流れ落ちるフィルターの壁を使った脱臭装置も効果的で外にほとんど匂いが漏れません。餌もタンクから自動で供給されます。糞尿もピットを通って発酵タンクとラグーンに自動で運ばれて糞は豚糞ペレットへ、尿はきれいな水へと変わっていきます。常時およそ25,000頭の豚が飼われていますが、これを6人の日本人従業員と数名のベトナム人技能実習生(総勢9人が長沼農場と千歳農場に分かれて働いている)で管理しています。

千歳農場の子豚舎(通路の牧草を様子を見ながら与える)
豚舎内の環境をチェックできるコントロールパネル、スマホのアプリとも連動でき、どこにいてもチェックできます
豚舎の排気はここから行ない、臭気はほぼありません
広い千歳農場の子豚舎と肥育舎を行き来できる連絡通路、人も豚も天気の影響なく移動できます
週5日、肉豚を出荷する千歳農場の肥育舎
体重測定、生体重115kgを基準に出荷しています

※入場には事前の許可が必要です

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